2006 Fiscal Year Annual Research Report
ライブセルイメージングによる上皮細胞の細胞極性形成機構の解析
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16689006
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
鈴木 健史 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助手 (00261868)
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Keywords | 細胞極性 / 膜タンパク質 / ライブセルイメージング / 3次元タイムラプス解析 / 膜脂質 / 免疫シナプス / SGLT / 微小管 |
Research Abstract |
細胞極性構築過程における膜タンパク質の局在動態を3次元ライブセルイメージングにより解析した.タイトジャンクションフレームワークの構築過程におけるSGLTの分子局在動態をライブセル解析したところ,細胞極性のない状態の細胞で細胞膜全周に発現しているSGLT分子が,タイトジャンクションの完成にともない頂部細胞膜に徐々に濃縮され最終的に頂部細胞膜に限局した局在にシフトしていく様子を,同一の細胞で初めて確認できた.このSGLTの頂部細胞膜への移行や選択的局在に膜脂質が関与している可能性について検討した.コレステロールを急激に除去すると30分でSGLTが細胞膜全周に移行した.この際,タイトジャンクションに変化はなくコレステロールの過剰投与によって相殺されることから,SGLTの頂部細胞膜局在にコレステロールが重要であることを明らかにした.また,コルセミド添加により微小管を脱重合させた場合もSGLTの細胞膜全周への移行が起こることを発見した.この際もタイトジャンクションに変化はなく,上皮細胞シートの電気抵抗性や,他の頂部細胞膜マーカータンパクの染色性に変化がないことから,細胞間接着が壊れた結果の側方拡散による細胞膜全周への移行ではないことを確認した.培地中のコルセミドを洗い流し,通常の培地で培養すると微小管系の復元にともない徐々にSGLTの頂部細胞膜局在が復活する様子も確認した.以上の結果は,微小管系がSGLTの頂部細胞膜局在の維持に機能していることを示している.また,細胞極性は隣接する細胞との接触が引き金となって形成されるが,この細胞接触面にPIP3が一過的に出現することを見いだしている.また,免疫細胞の細胞極性形成過程におけるシグナル分子の動態もライブセルイメージングにより解析し,免疫シナプスにPKCやPIP3,DAGなどの様々なシグナル分子が集合する様子をとらえることに成功した.
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