2004 Fiscal Year Annual Research Report
セマフォリン分子Sema6Dの自然免疫における役割の解明
Project/Area Number |
16689012
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
熊ノ郷 淳 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (10294125)
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Keywords | セマフォリン / Sema6D / plexin-A1 / 発生 / 自然免疫 |
Research Abstract |
セマフォリンファミリーは発生過程で神経の方向性を決定するガイダンス因子とされてきた分子群である。我々はこれまでT細胞に発現するCD100/Sema4Dと樹状細胞に発現するSema4Aのクラス4型に分類される二つのセマフォリン分子の解析からセマフォリン分子群の主に獲得免疫への関与を明らかにしてきた。本研究ではハエや線虫などに存在するセマフォリン分子と進化系統樹上で近縁に位置する6型セマフォリン分子Sema6Dの発生及び免疫への関与を解析中である。今年度Sema6Dがその受容体であるplexin-A1との相互作用を介しての心臓の初期発生に関与していること、またSema6Dが従来考えられてきたリガンドとしての作用だけでなく、その細胞内領域からシグナルを伝える受容体としても機能していることをニワトリ胚を用いた系で明らかにした。一方免疫解析では、Sema6Dがplexin-A1を介して樹状細胞、マクロファージ、NK細胞といった自然免疫担当細胞に活性を有すること、ITAMを有する免疫活性型アダプター分子であるDAP12がTrem-2分子を介してplexin-A1に会合することを見出した。更に、今年度から解析可能となったplexin-A1欠損マウスの解析からplexin-A1が抗原特異的T細胞の活性化に必須であること、plexin-A1欠損下ではDAP12欠損マウスと同様に免疫系のみならず骨組織にも異常を呈することが明らかとなった。今後plexin-A1欠損マウスの詳細な解析及び現在作成中のSema6D欠損マウスの解析を通じてSema6D-plexin-A1相互作用の生体内での役割を解明していく予定である。
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