2005 Fiscal Year Annual Research Report
DNA型および血液型の超高感度検出法の開発:とくに微量体液斑からの型判定
Project/Area Number |
16689015
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
竹下 治男 島根大学, 医学部, 教授 (90292599)
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Keywords | DNA型 / 血液型 / 超高感度検出法 / 微量体液斑 / 型判定 / DNase I / PCR / 精製 |
Research Abstract |
本年度はDNA型および血液型の超高感度検出法の開発として、とくに微量体液斑について、血中や各組織中の含有量が多く、しかも個人識別能が高いうえ、経時変化に抵抗性を示す、デオキシリボ核酸分解酵素(DNase I)型の種々の検討を行った。 1)法医学的試料由来の微量DNAからDNase I型判定を実施できるようなPCR法を利用した解析系を構築し得た。上記解析系を利用して、解剖時に採取した微量な皮膚片や眼房水からのDNase I型判定を行ったところ、全例において型判定が可能であった。また、データベース構築の為に日本人、ドイツ人、トルコ人及びオバンボス人のDNAからDNase I型判定を行い、日本人と比較して、ドイツ人及びトルコ人では2型の出現頻度が有意に高く、一方、オバンボス人では1型の出現頻度が有意に高かった。 2)DNase I解析のために、迅速・簡便なDNase I精製法について検討した。 ヒト、Sprague-Dawleyラット、ブタ及び日本白色ウサギの膵臓または耳下腺、及びCOS-7細胞に導入・発現させて得られた各々の組み換え型酵素についてConA-WGA混合カラムクロマトグラフィーを試行したところ、いずれのDNase Iも電気泳動上単一なまでに精製し得た。これまでヒトをはじめとする哺乳類DNase Iの精製には、多くの精製ステップが必要であったが、上記2種のレクチンを混合したカラムにより、初めてワンステップ精製を可能にした。さらに、この方法は、生体試料及び組み換え体の培養上清の両方から精製を可能にしたので、免疫源や比較生化学的解析の為に、簡便・迅速に多量の酵素を得られるものとして有用である。
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Research Products
(10 results)