2004 Fiscal Year Annual Research Report
新たに同定した心臓由来心筋前駆細胞のクローン化増殖、機能解析による心筋再生医療
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16689017
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
王 英正 京都大学, 医学研究科, 助教授 (50372579)
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Keywords | 心筋前駆細胞 / クローン化 / Sca-1 / 心筋細胞分化 / 心筋細胞再生 |
Research Abstract |
心臓由来の心筋前駆細胞の細胞機能解析として、平成16年度一年間で以下の3つの課題を明らかにしてきました。 1)心臓由来のSca-1陽性細胞のクローン化とその多能性を明らかにすること。 申請者らは心筋前駆細胞である心臓由来のSca-1陽性細胞を単一細胞より大量増幅させ、そのクローン化に成功した。各クローンはそれぞれ心筋細胞に分化できるポテンシャルが異なり、心筋細胞以外では血管平滑筋、内皮、グリア、脂肪、上皮細胞への多能性分化能についても確認しえた。 2)マウス生体内でのSca-1遺伝子の役割をSca-1欠損マウスへ心筋梗塞作成することで明らかにする。 まず、Sca-1欠損マウスの海外施設よりの譲渡は京都大学動物施設使用基準により、SPF化する規定が存在するため、より迅速にかつ独創性を持った研究を進めるため、申請者らは独自にSca-1遺伝子をノックダウンするシステムを開発し、ノックダウンマウス作成に必要なコンストラクトを完成させ、胚芽細胞に注入し、Sca-1遺伝子の発現が全身において生理レベル以下に抑制されたマウスを作成した。今後このマウスを大量に繁殖させ、生理的状況下での心機能解析と虚血心モデルにおける心筋前駆細胞による障害を受けた心筋細胞の修復能について詳細に検討する課題が残った。 3)心筋前駆細胞の心筋細胞分化に必須な遺伝子の同定 申請者らが提案したBMP受容体やsmadを初めとしたその標的遺伝子に関わる心筋細胞の分化様式の解析は、smad1/2/5/8をノックダウンさせたそれぞれのsiRNAコンストラクトの作成が完成したことで、今後レンチウイルスを用いて、これらのsiRNAを心筋前駆細胞に感染させ、それぞれの遺伝子発現が抑制された状況下で、培養細胞系にて心筋分化能の相違について検討する課題が残った。
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