2005 Fiscal Year Annual Research Report
脳動静脈奇形の発生機構におけるnotch-hes経路の関与に関する研究
Project/Area Number |
16689024
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北条 雅人 京都大学, 医学研究科, 助手 (60372588)
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Keywords | 発生・分化 / 脳・神経 / 脳動静脈奇形 / hes1 / hes5 |
Research Abstract |
脳動静脈奇形(AVM)は、胎生早期より認める先天性の血管奇形である。先天性の血管障害であるが、発生上の機構はいまだ解明されていない。本研究の第1の目的は、マウスの血管発生において、notchシグナル系とephrin-B2/Eph-B4とを結ぶ因子がhes/hesrであることを証明することである。第2の目的は、手術で摘出した脳動静脈奇形の標本を用いて、脳動静脈奇形の発生機構にnotchシグナル系、hes/hesrファミリー、ephrin-B2/Eph-B4の関与することを証明すること証明することである。 Notchの下流因子としては、bHLH型遺伝子hes1、hes5、hes7、hesr1、hesr2が知られており、これらがnotchとephrin-B2とを結ぶ物質の可能性が高い。hesファミリーのノックアウトマウスについては、血管系は解析しておらず、また、hesr2のノックアウトマウスの報告では、心奇形が認められたものの、他の血管系は正常であった。本研究では、京都大学ウイルス研究所影山教授研究室で作成されたhes1、hes5のノックアウトマウスの血管系の異常を解析した。 本年度は、hes1/hes5の組み合わせでダブルノックアウトマウスを作成した。hes1、hes5のそれぞれのノックアウトマウスはすでに作成されているので、交配により、ダブルノックアウトマウスを作成し、解析した。PECAM-1の免疫染色でノックアウトマウスの血管を解析した。 さらに、本年度も引き続き、脳動静脈奇形の手術標本を、流入動脈、奇形本体であるナイダス、導出静脈のそれぞれを別々に採取し、RNAを抽出した。これらに対してRT-PCR法あるいはノーザンブロッティング法にてnotch、hes/hesr、ephrin-B2/Eph-B4の発現量を調べた。また、in-situハイブリダイゼーション法および免疫染色にてそれぞれの因子の発現を調べた。
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