2004 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオミクス法によるHIF-1α複合体精製および口腔癌細胞における機能解析
Project/Area Number |
16689032
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
谷本 圭司 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助手 (90335688)
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Keywords | hypoxia / hypoxia-inducible factor-1 / hypoxia-response element / protein complex |
Research Abstract |
生命の維持に酸素は必須であり,細胞には酸素欠乏(低酸素状態)を感知し,酸素供給の維持を厳密にコントロールするシステムが備わっている.その中心的役割を果たしていると考えられるhypoxia-inducible factor-1(HIF-1)は低酸素刺激に応答する転写因子で,赤血球生成因子,血管新生因子,解糖系酵素や糖輸送に関する因子等,様々なストレス応答因子を転写制御していることが知られている.近年,その幅広い標的遺伝子群からみて,その機能変化が,がんを含む様々な疾病で重要な役割を果たしていることが予想されている.しかしながら,その転写制御機構の詳細,特に結合因子群(HIF-1蛋白複合体)に関する解析は進んでいないのが現状である. 本研究では,HIF-1蛋白複合体解析を通して,HIF-1機能調節因子を見出し,将来的には分子標的治療へ応用展開することを目的としている.本年度は主にHIF-1複合体精製システムの構築を行った.すなわち,機能的HIF-1複合体を抽出するために3回繰り返しのHypoxia-response element (3xHRE)をpGEM-3Zにクローニングした.ビオチン標識のT7プライマーとSP6プライマーを用いたPCR法にて,ビオチン標識3xHREオリゴを大量に調製した.低酸素培養下HepG2細胞の核抽出液とビオチン標識3xHREをインキュベートし,ストレプトアビジンコート磁気ビーズを用いて沈降することにより,HRE結合蛋白複合体を精製し,同複合体にHIF-1αが含まれることをimmunoblotting法にて確認した.現在,様々な低酸素条件下のHepG2より核抽出液を調製し,HIF-1複合体の変化を確認している.また,結合蛋白の網羅的解析へ進む予定である.
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