2005 Fiscal Year Annual Research Report
グレーデッドインデックス型光ポリマーを応用した、金属非可視型矯正ワイヤーの開発
Project/Area Number |
16689033
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
豊泉 裕 北海道大学, 北海道大学病院, 助手 (70359488)
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Keywords | 歯学 / 複合材料・物性 / 可視化 |
Research Abstract |
本研究は、優れた審美性と機械的性質を兼ね備えた歯科矯正用ワイヤーを開発することを目的とし、複合材料の概念に光学材料の技術を取り入れることで、それを実現しようとするものである。 本年度に行った内容を以下に示す。 (1)使用するコア金属の断面寸法の検討を行った。検討条件として、1)マトリックス部の厚さが可及的に確保可能、2)臨床応用に可能な機械的強度を有する、3)マトリックス材との被着が可能、とした。結果、直径約0.35mmの矯正用ワイヤーが第一選択となり、この場合マトリックス部に費やせる幅は試作ワイヤー径を0.5mmとすると0.15/2mm程度となることがわかった。 (2)選択した金属ワイヤーについて3点曲げ試験(引張圧縮試験機SV-52L、16年度設置備品)を行った、変位量1.0mmでの徐荷時曲げ荷重は、Ni-Ti系では、製品1:1.44(N), SD;0.10(N)、製品2:0.80(N), SD;0.02(N)、製品3:1.02(N), SD;0.07(N)、であった。実際の試作ワイヤーではこれにマトリックス材が被覆される分、金属ワイヤー単体より大きい曲げ荷重を発揮する(寸法効果)ことから、臨床的にも応用に可能であることが示唆された。 (3)コア金属の非可視化の検討を行った。方策として、マトリックス層境界面での全反射を利用し、ワイヤー外部からの入射光を全反射させる、若しくはワイヤー内部の反射光を閉じ込める、2種類を計画した。全反射を効果的に行わせるためには第1〜3層のマトリックスの屈折率に差が大きいことが要件となることは明らかになったが、今年度はマトリックス材の屈折率の任意設定の方法の構築には至らなかった。 今後の計画:本ワイヤーの非可視化については現時点では充分とは言えず、機械的強度に対する耐久性も不明な事項が多いため、この点につき来年度も引き続き研究を継続してゆく予定である。
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