2004 Fiscal Year Annual Research Report
構文情報に基づくプログラム要素のトレーサビリティに関する研究
Project/Area Number |
16700034
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
福安 直樹 和歌山大学, システム工学部, 助手 (60324993)
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Keywords | トレーサビリティ / 構文情報 / ソフトウェアリポジトリ / バージョン管理 |
Research Abstract |
本研究でトレース可能にしたいプログラム断片間の依存関係には,同一ソフトウェア内の複数のバージョン間におけるプログラム断片の依存関係,異なるソフトウェアのプログラム断片に関する依存関係,の二種類があるが,研究初年度の今年度は,同一ソフトウェア内の複数のバージョン間におけるプログラム断片の依存関係がトレースできることを目指して研究を進めた.管理対象プログラムの記述言語には,システムの検証のためのソフトウェアとしてそのソースコードが入手し易いという理由からC言語を選択し,C言語で記述された複数のソースプログラムの間の関係を,構文のレベルで管理するシステムを試作した.具体的には,ソフトウェアのプロダクトに対する細粒度の情報を管理・蓄積するためのプラットフォームであるSapidをベースとし,ソフトウェアの各構文要素にバージョン情報を持たせることにより実現した.ソースプログラムの解析には,字句解析・構文解析・意味解析の各解析段階が存在する.CVSなどの行をベースとしたバージョン管理システムは,字句解析のレベルでバージョンを管理していると言えるが,統一的な構文を持たない一般の文書を対象としたシステムと異なり,対象をソースプログラムに絞ることにより,より高いレベルでのバージョン管理が有効となる.本研究では,構文解析のレベルでのバージョン管理を扱った.バージョン情報を,構文木の枝に持たせることにより,管理しなければならない情報の大きさを押えた.
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