2004 Fiscal Year Annual Research Report
資源の事前生成機構を持つ高性能オペレーティングシステムに関する研究
Project/Area Number |
16700038
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田端 利宏 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助手 (80359942)
|
Keywords | オペレーティングシステム / 資源再利用 / プロセス / プロセス変身機能 |
Research Abstract |
1.従来の資源再利用法には,同時に実行されるプロセス数が増加すると,プロセスの生成と削除処理を高速化するために,多くのメモリ資源を消費する問題がある.また,資源を再利用した場合の効果も小さくなっていた.そこで,本研究では,メモリ資源の消費と処理時間の観点で問題を分析し,従来の問題を解決した新たな再利用可能な資源管理法を提案した.提案した資源管理法では,プロセスのテキスト部共有に着目し,プログラム毎に再利用のために残すプロセス全体のメモリ領域を一つに制限した.また,すでに当該プログラムについてプロセス全体のメモリ領域が保存されている場合は,プロセスをプログラムに依存せず再利用できる形式に分解して,再利用のために保存することとした.提案手法を評価した結果,メモリ資源の消費が少なく,かつプロセスの生成と削除処理を従来よりも高速化できることを確認した. 2.これまでは資源再利用法をプロセスの生成と削除処理にのみ適用していた.この手法はOSの他の処理においても適用可能であると考えられる.そこで,プロセスの状態を変更させる機能である「プロセス変身機能」に資源再利用法を適用した.プロセス変身機能において,再利用可能な資源を明らかにし,実装と評価を行い,資源再利用機構の効果を確認した.この結果,プロセス変身機能のうち,実行プログラムの変更と同一計算機内での動作空間の変更において処理を高速化できることを確認した.これにより,プロセス生成や削除以外の処理においても有効な場面があることを確認した.
|
Research Products
(4 results)