2004 Fiscal Year Annual Research Report
並行型ソフトウェア開発プロセスにおける開発期間の遅延リスク予測
Project/Area Number |
16700042
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
野中 誠 東洋大学, 経営学部, 講師 (30318787)
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Keywords | ソフトウェア開発プロセス / プロジェクトマネジメント / ソフトウェア品質 / リスクマネジメント / シミュレーション |
Research Abstract |
本研究では、研究代表者の過去の研究成果に上乗するかたちで並行型ソフトウェア開発プロセスを数理的にモデル化し、シミュレーションによりリスクを定量的に評価する研究を実施した。本年度は、開発途中での仕様変更による影響を評価できるモデルの定式化およびそのプログラム開発に取り組んだ。具体的には、開発ユニット(要求分析から実装・テストまでの一連の工程群)の入力となる要求仕様の規模に、開発の途中で新規・修正が発生する比率をパラメータとして加え、その仕様変更によって生じる作業量に確率分布を与えることでモデル化を行った。現時点では、プログラムの開発途中であるためシミュレーションが十分に実施できていないが、パラメータの増加により従来モデルよりもより現実的なプロジェクトの状態を表現できる。今後はプログラムを完成させ、パラメータの値を変えてシミュレーションを実施し、その成果を学会等で報告する予定である。 また、ISESE(International Symposium on Empirical Software Engineering)2004およびAPSEC(Asia-Pacific Software Engineering Conference)2004に参加し、国際的な最新の研究動向を調査した。この調査により、本研究の持つ優位性などを明確化することができた。その他、当初は企業より実データを得る予定であったが、数社に打診した結果、研究内容には興味を示したものの提供可能なデータが16年度内には得られなかった。しかし、このうち1社はデータ提供に向けて準備してもらっており、17年度には実データを用いた検証を実施する予定である。
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