2005 Fiscal Year Annual Research Report
量子論理及びEXOR論理に基づく論理回路の厳密な最小化に関する研究
Project/Area Number |
16700044
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
平山 貴司 岩手大学, 工学部, 講師 (30316509)
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Keywords | 量子論理回路 / AND-EXOR論理回路 / AND-EXOR論理式 / 論理最小化アルゴリズム / ESOP |
Research Abstract |
本研究は、AND-EXOR論理式(ESOPとも呼ばれる)の最小化アルゴリズムを開発して、AND-EXOR論理回路及びf-C-NOT回路なる量子論理回路の厳密な最小形を求めようとするものである。これは、f-C-NOT回路の段数最小化問題が、AND-EXOR論理式の積項数最小化問題に帰着できるという性質の応用である。 平成17年度は、最小化アルゴリズムの改良と、f-C-NOT回路(AND-EXOR論理式)の厳密な最小解の計算を行った。 最小化アルゴリズムにおいて、最もメモリと計算時間を消費する部分は、解の探索手続きである。そのため、探索手続きの改良により、アルゴリズムの効率を上げることに取り組んだ。メモリ消費を減らす方法として、再帰呼び出しにより行っていた探索の一部を、繰り返しで行うように変更した。これにより、再帰呼び出しのスタックに使われるメモリ消費を削減することができた。計算時間を減らす方法として、探索の順序を変更した。探索の順序として、深さ優先探索、幅優先探索、最適解優先探索を実験したところ、最適解優先探索が多くの実用関数について計算時間が少ないことが確認された。これらの手法の開発により、最小化アルゴリズムの効率を上げることができた。 改良された最小化アルゴリズムを、前年度及び今年度に購入した計算用PC上に実装し、なるべく多くの実用関数についてf-C-NOT回路(AND-EXOR論理式)の厳密な最小解を計算することに挑戦した。その結果、これまで最小解が知られていなかったt481などの実用関数について、初めて最小解を得ることに成功した。これらの成果を国際会議DELTA2006にて報告した。
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