2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロで動的なクラスタシステムで頑健な性能を達成する並列処理手法の開発
Project/Area Number |
16700053
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
須田 礼仁 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助教授 (40251392)
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Keywords | 並列処理 / ヘテロ並列環境 / 列ベース分割 / 動的負荷分散 / Multi-Master Divisible Load / 高速球面調和関数変換法 |
Research Abstract |
パソコンの高性能化とネットワークの高速化に伴い、汎用の製品を用いたコモディティクラスタが普及している。これらのクラスタは従来の専用並列計算機・クラスタに比べ、ヘテロや動的といった性質を持つことが多いと考えられるが、このような並列計算環境では従来のホモで静的な計算機を想定していた並列化手法では十分な性能を導き出すことができない。本研究はこのような環境で高い性能を実現する並列化技術を開発することを目的としている。 ヘテロ並列環境への対応方法として、我々は列ベース分割に基づく手法を提唱している。これまでに、偏微分方程式の求解への応用によりその有効性を確認している。現在は密行列の各種アルゴリズムへの応用を目指して、基本ライブラリの構築とそのLU分解への適用を実装中である。 動的なシステムへの対応としては、動的負荷分散が一つの基本となる。従来の負荷の再分散の手法がほとんどヒューリスティクスによっていたのに対し、我々はMulti-Master Divisible Loadモデルによる漸近最適性の保証された再分散手法を提唱している。本年度はマルチクラスタ環境における漸近最適な負荷再分散アルゴリズムを提案した。現在、Multi-Master Divisible Loadモデルのアプリケーションへの適用を目指してライブラリを構築中である。 これらの研究成果の総合的な集成の方法として、ヘテロで動的なシステムで頑健な性能をユーザーに使いやすく提供する数値計算ライブラリERXPPを実現することを計画している。これに関して研究者独自のアルゴリズムである高速球面調和関数変換の研究を進め、応用や発展について論文を発表した。今後は上述の密行列計算と共にロバストな性能を達成するライブラリ化を目指す。
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Research Products
(3 results)