2004 Fiscal Year Annual Research Report
分散共有メモリ機能を持つクラスタ計算機用スイッチに関する研究
Project/Area Number |
16700072
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
大西 淑雅 九州工業大学, 情報科学センター, 講師 (50213806)
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Keywords | FPGA / ハードウェアDSM / クラスタコンピュータ / スイッチ / 階層型 / 大規模 / Handel-C / C言語設計 |
Research Abstract |
実用的なPCクラスタ環境においては、ノード計算機の追加や変更が容易に行え、構成の変更によるパフォーマンスの低下を避ける必要がある。本研究では、クラスタ計算機に関する研究の結果を踏まえて、分散共有メモリ機能を持つ、新しいタイプのPCクラスタ用スイッチの設計および試作を行う。また、共有メモリ機構に関する性能評価を行うための基本的なアプリケーション調査およびテストプログラムの開発を進めてきた。 当初は、シングルボードコンピュータ(SBC)を使用して、目標とするクラスタ用スイッチの基本殻計と試作を行う予定だったが、研究に適したSBCの入手が困難であったため、PCの部品を使った試作とした。現在、Linuxを使った設計と試作中であるが、大きな問題は発生していない。 分散共有メモリを持つクラスタ用SWとクラスタ用DSMボード(過去の関連研究)との連携については、シミュレーションによる動作確認を行った。その結果、複数のクラスタ用SWとクラスタ用DSMボードを組み合わせた、「階層型クラスタ計算機」はFPGAの機能を効率よく使用することで、ネットワーク遅延を隠蔽した上で、計算スピードの向上が見込めた。現在、共有メモリの配置手法と基本的な行列計算アプリケーションを実際にコーディングし、現有設備のPCクラスタを使った実地試験の準備を行っている。 また、本年度はFPGA上への開発環境としては、System-Cに加えて、Handel-C(DK Design)を使ったものを検討した。Handel-Cの開発手法を習得した上で、C言語を使った開発を行っている。さらに、PCクラスタ計算機の新たな利用方法として、e-ラーニング分野(データベースや仮想演習計算機群)への応用も検討し、その結果を公表した。 本年度は基本的な設計および試作に重点置き、本研究の正当性と性能向上率の予測などの成果をあげることができた。
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