2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16700073
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
吉田 たけお 琉球大学, 工学部, 助手 (80295302)
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Keywords | 遅延故障 / 配線遅延 / ディジタルシステム / 集積回路 / 耐故障技術 / 故障検出 |
Research Abstract |
本年度は、一般的なディジタルシステムであるMealy型順序回路を対象として、Mealy型順序回路に発生した遅延故障を検出する手法について調査・検討を行った。具体的には、以下の4つの項目を実施した。 1 遅延故障がシステムに及ぼす論理的な影響の調査・検討 2 遅延故障をリアルタイムに検出可能なシステムが満たすべき要件の検討 3 上記要件を満たすシステムの具体的な構成の検討 4 上記要件を満たすシステムにおける遅延故障の具体的な検出方法の検討 各項目の主な作業内容は、机上での検討、計算機シミュレーションおよびプログラミング(故障シミュレータの作成等)であり、これらの作業を繰り返した結果、以下の知見が得られた。 項目1の作業に関しては、そのほとんどが完了していたが、異なる視点から再検討を行った結果、遅延故障はディジタルシステム内のレジスタが保持する値に影響を及ぼすという結論が得られた。また、遅延故障の影響を受けたレジスタ値と正常動作時のレジスタ値との間のハミング距離が、ある一定値を超えないことを改めて確認した。項目2に関しては、遅延故障の影響を受けるレジスタの2重化、2重化したレジスタの値を比較する回路の追加等の回路要件が明らかになった。さらに項目3、4に関して、Mealy型順序回路の設計時に満たすべき要件として、隣接する状態間のハミング距離を一定値とすることにより、遅延故障を検出可能な順序回路を構成できることが明らかになった。また、この設計要件は、状態割り当てを工夫することにより満たせることも解った。ただし、本作業で明らかになった設計要件は、十分条件であり、改善の余地が残されていることも解った。この改善に関しては、来年度に検討する予定である。なお、以上の内容の一部をまとめて、研究成果として学会で発表を行った。
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Research Products
(1 results)