2004 Fiscal Year Annual Research Report
データ駆動型プロセッサの携帯機器向け応用に関する研究
Project/Area Number |
16700082
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
酒居 敬一 高知工科大学, 工学部, 講師 (90274117)
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Keywords | データ駆動型プロセッサ / 秘密分散法 / PID制御 / Δ-Σ変調 / USB |
Research Abstract |
本年度の結果はハードウェアの研究とソフトウェアの研究に大きく分けることができる。 まず、高知工科大学岩田研究室において開発されたDDMPプロセッサを利用し、単独動作可能な周辺インターフェースを追加して評価・開発用ボードを設計した。周辺インターフェースとしてはUSBを導入し、その制御には初期段階では通常のマイコンを使用する。消耗品費を充当して評価・開発用ボードを試作した。評価・開発用ボードには消耗品費充当により100万ゲート規模のFPGAを搭載し、周辺インターフェースの開発・計測を行う。制御機器への入出力に必須となるA/D変換やD/A変換のデータ駆動型プロセッサ向きの検討・設計を行い、さらにリアルタイム処理に向けた実験を行い評価した。PID制御というような回路をそのままデータ駆動型プロセッサでソフトウェア化するとき、その処理回路(ソフトウェア)の応答時間を測定した。次年度以降、コデザインではなくソフトウェア化した回路の合成へと発展させたい。 つぎに、データ駆動型プロセッサ向けのプログラム開発環境を開発するためのツール類を開発する。開発機材として消耗品費を充当しパーソナルコンピュータを調達して、開発環境を開発する。本年度はパーソナルコンピュータとの通信環境の整備を行った。具体的には、i)評価・開発ボードへのUSBプロトコルスタックの実装、ii)パーソナルコンピュータ側のデバイスドライバ開発である。 さらに、携帯機器で必要となる安全なデータの保存・復元に関する研究も行った。データを安全に保存するためには、物理的に異なった揚所に分散し保存すること、分散したデータの一部だけでは復元できないこと、全てではなく必要数の分散データを集めれば復元できること、という条件を満たした手法を検討・実装した。そのような手法としては(k, n)秘密分散法というものがあるが、その手法における分散保存は演算処理の多さから通常のプロセッサでは処理に時間がかかる。あるいは演算パワーを確保しようとすると消費電力が多くなる。そこで、本研究では、データ駆動型プロセッサを利用して演算処理を低消費電力なままで高速にする手法を検討し、データ駆動型プロセッサへの実装を行って評価した。
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Research Products
(1 results)