2004 Fiscal Year Annual Research Report
インターネットを利用した遠隔天体観測システムに関する研究
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16700085
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
大江 将史 国立天文台, 天文学データ解析計算センター, 上級研究員 (30370109)
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Keywords | 衛星通信 / 遠隔天体観測 / 乗鞍コロナ観測所 / DVB-RCS |
Research Abstract |
これは,国立天文台乗鞍コロナ観測所において,インターネットを用いた遠隔天体観測システムに関する研究をおこなうものである.初年度は,観測所の開所期間(2004年5月〜10月)において,通信衛星を利用したインターネット通信システムの構築とその可用性についての評価を行った. 標高2973mに位置する観測所における通信回線には,株式会社JSATの技術協力の元に,EMS社製のDVB-RCS通信システムを用いた.2004年5月に,90cmのパラボラアンテナによる可搬型地球局の設置をおこないインターネットへの接続を行った.そして,次に,VPNルータを用いて,国立天文台三鷹キャンパスと観測所間に安全な通信路を確保し,両者間を相互接続した. 以上の構成を用いて,本環境の遠隔天体観測システム構築に当たっての実用性についての評価を行った.評価は,帯域やパケットロス率などの通信品質と設置環境がシステムに与える影響について行った. 前者については,静止衛星を経由するため,平均RTTが590msec程度生じていた.このため,TCP-MSSの調整や,バッファ量の調整などの速度向上に向けての調整をおこなった.その結果,平均の実効帯域は,390Kbps/320Kbps(TCP)であった.経路上のトラフィックや衛星帯域を他通信と共有するため,理論値(20M/2Mbps)とかけ離れた結果となったが,平均的には,300Kbps程度の帯域を確保することが可能であることがわかった. 後者に関しては,落雷の危険による通信中止,メンテナンスに伴う発電機の停止などがあり,24時間以上断続的に利用ができない場合もあった.したがって,システムには,通信断に対する堅牢性が求められる. これらの明確となった利用条件を元に,遠隔観測システムの開発をおこなっている.
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Research Products
(2 results)