2004 Fiscal Year Annual Research Report
半構造データモデルのもとでの不完全情報表現法の開発とその応用に関する研究
Project/Area Number |
16700101
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石原 靖哲 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (00263434)
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Keywords | 半構造データ / 不完全情報 / XML |
Research Abstract |
本年度の,不完全情報表現法そのものに関する研究成果は以下の通りである. 1.多重集合に基づいた不完全情報表現法を提案し,その表現法のもとでの順方向および逆方向の代数演算(選択,射影など)の閉包性に関する検討を行った.以下で述べるアクセス制御に不完全情報表現法を応用する場合,なるべく閉包性をもつほうが望ましいが,本研究では,従来知られていた表現法よりも多くの演算が閉じた表現法を提案した. 不完全情報表現法の応用先として,データベースのスキーマ統合や,秘密情報が漏洩しないことを保証したアクセス制御などがある.本年度の,それらに関する研究成果は以下の通りである. 2.XMLデータベースにおけるスキーマの表現能力を形式的に定義し,表現能力保存に関して健全なスキーマ更新操作として,括り出し,挿入,拡張,等価変換の4つの操作を提案した.さらに,DTDにおいては、それらの操作が表現能力保存に関して完全であることを示した. 3.オブジェクト指向データベースにおける推論攻撃の安全性判定問題の決定可能性について考察した.スキーマや問い合わせの線形性という概念を導入し,線形であれば安全性判定が決定可能であることを示した.これにより,安全性判定が決定可能であるような,既知のクラスよりも広いクラスが与えられた. 4.アクセス制御ポリシーを自己更新可能な,XML文書アクセス制御システムの提案と実現を行った.アクセス制御ポリシー記述言語としては,OASIS標準のXACMLを用い,そのobligationの機能を用いて自己更新を実現した.また,アクセスの種類として読み出しのみを考え,XSLTのスタイルシートを用いてアクセス制御を行うシステムの実現も行った.
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