2005 Fiscal Year Annual Research Report
半構造データモデルのもとでの不完全情報表現法の開発とその応用に関する研究
Project/Area Number |
16700101
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石原 靖哲 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (00263434)
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Keywords | 半構造データ / 不完全情報 / XML |
Research Abstract |
本年度の,不完全情報表現法そのものに関する研究成果は以下の通りである. 1.昨年度提案した,多重集合に基づいた不完全情報表現法のもとでの,順方向および逆方向の代数演算(選択,射影など)の閉包性に関してさらなる検討を加えた.具体的には,閉包性をもたない演算についてその理由を詳細に分析し,他の表現法を採用した場合の閉包性について考察を加えた.この成果はSpringer社が発行するJournal of Intelligent Information Systems誌に投稿中である. 2.XMLデータベースにおける不完全情報表現法として,問い合わせとその結果に基づく等式で表現する方法を検討している.問い合わせのモデルとしては,XSLTの主要な部分に相当するトップダウン木変換器を採用した.木変換器の遷移規則ごとに等式を構成し,それらを組み合わせることで,不完全情報に関する推論を機械的に行うことができる見通しを得た.この結果は,秘密情報が漏洩しないことを保証したアクセス制御を行う際に有用となる.また,実装を行うための準備として,オープンソースのXMLデータベースであるdbXML 2.0の解析を行い,問い合わせ評価の高速化についても実験・検討した. 不完全情報表現法の応用先として,データベースのスキーマ統合がある.本年度の,スキーマ統合に関する研究成果は以下の通りである. 3.昨年度,XMLデータベースにおけるスキーマの表現能力を形式的に定義し,表現能力保存に関して健全なスキーマ更新操作として,括り出し,挿入,拡張,等価変換の4つの操作を提案した.今年度は,括り出し操作に制限を加えた場合に,それらの操作の表現能力保存に関する完全性がどのような影響を受けるかについて考察した.
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Research Products
(3 results)