2004 Fiscal Year Annual Research Report
分散情報資源の統合活用のためのデータ表現モデルとその応用に関する研究
Project/Area Number |
16700102
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
春本 要 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50263215)
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Keywords | 情報資源発見 / セマンティックWeb / P2Pネットワーク / 自己組織化 |
Research Abstract |
平成16年度は、まず情報資源を表現するためのデータ表現モデルおよびその検索モデルについて調査を行った。具体的には、XMLを中心として、その問合せ言語であるXPathおよびXQueryの調査を行った。また、セマンティックWebの基本的なデータ表現モデルであるRDFおよびオントロジ記述言語OWL、およびその問合せ言語として標準化が進められているSPARQLの調査を行った。その結果、XMLは半構造性を有するデータ表現が可能であることから、スキーマを規定しなくても柔軟なデータ表現が可能である反面、分散型システムでの利用においてはスキーマや語彙の規定が不可欠であるという矛盾した問題点があり、一方、RDFおよびOWLによるデータ表現は情報資源間の関係表現によりデータを表現するという非常にシンプルなデータ表現モデルであるとともに、OWLで規定された語彙によってリソース間の高度な関係を表現できることが確認できた。しかし、RDFやOWL、さらにはその問合せ言語であるSPARQLは情報資源を収集したのちの意味論については規定しているが、情報資源間の関係付けは静的なものに限られており、関連する情報資源が分散して存在しかつ動的にその内容が変化する環境で効率的に情報資源を発見し問合せ処理を行う手法については全く解決されていないことがわかった。 上記の調査結果をもとに、動的に情報資源間の関連付けを行うためのルール記述言語の設計を行った。また、関係付けられる情報資源を効率的に収集する手法として、応答転送状況に基づくP2Pネットワークの自己組織化手法を提案し、その基礎的評価を行った。評価により、提案手法は関係付けられる情報資源を従来よりも数倍多く発見できることを示した。
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