2004 Fiscal Year Annual Research Report
図形の群化領域の認識を考慮した画像情報検索に関する研究
Project/Area Number |
16700117
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
阿部 孝司 金沢工業大学, 工学部, 講師 (90367441)
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Keywords | 類似画検索 / CBIR / 群化 / ゲシュタルト心理学 / 商標図形 |
Research Abstract |
本研究は,人間の類似判断と計算機による類似画検索の結果との隔たりを縮める一検討として,図形内に存在する群化領域を認識させる手法について検討した.まず,被験者104名を対象に図形群化に関するアンケートを実施し,その結果を正解データとみなし,これが反映された認識方法を提案した.アンケートの目的は,ゲシュタルト心理学で不明瞭な箇所を明らかにすることも兼ねた.また,抽象図形107個に対し行った実験結果から,提案した群化領域の認識方法は有効であることを示した. 具体的な研究成果を要約し以下にまとめて示す. 1.異なった複数の群化要因が図形内に存在したときにおける人間の認知判断の傾向を知るためアンケートを実施し,その結果を報告した 2.ゲシュタルト心理学における5要因のうち,「過去の経験や知識」を除く,「接近」[類似」「閉合」「よい連続」に対する定量化(特徴量)を提案し,実験により有効性を確認した 3.アンケート結果を正解データとして,判別分析による群化領域の認識方法を提案し,実験によりその有効性を確認した 4.上記で行った実験の結果から,より人間の主観を当認識手法に反映させるためには,複数の群化パターンを考慮し群化領域の認識を行う必要があることを明らかにした 5.ゲシュタルト心理学における群化要因「よい連続」を定量化し,さらに,「よい連続」の要因により群化現象を起こしている領域に対する認識方法を提案した.実験によりこれら提案手法の有効性を検証した 次に,今後の課題(平成17年度への課題)を列挙する. 1.群化要因に対する特徴量の精度向上 2.ある任意の図形における「大領域」「中領域」「小領域」の群化のような,階層的群化パターンの作成方法 3.任意の図形に適した群化要因を自動選択させることによる効率よい群化領域認識の提案
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