2005 Fiscal Year Annual Research Report
図形の群化領域の認識を考慮した画像情報検索に関する研究
Project/Area Number |
16700117
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
阿部 孝司 金沢工業大学, 工学部, 講師 (90367441)
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Keywords | 群化領域認識 / 類似画検索 / ゲシュタルト心理学 / 領域統合 |
Research Abstract |
人間は,視野中に複数の小図形が塊状に点在して表現されているとき,それらを一つのまとまりとして知覚統合する.視覚心理学ではこの現象を群化といい,その要因はゲシュタルトの心理学により示されている.図形には,図形全体あるいはその一部の領域が群化していると認知できるものも多く存在するが,人間が図形内の群化領域を知覚統合した上で互いに類似していると判断した一組の図形に対し,計算機で群化領域を認識することは難しくこれらが類似していると判断できないことが多い.そこで,抽象図形内に存在する群化領域の認識を検討し,以下の成果を発表した. 1.人間の知覚群化の要因を定量化するモデルを作成した. 2.図形の群化領域の知覚に関するアンケート結果を実施し,人間は主観的に複数の群化要因にそれぞれ重みを付け,見方を変えて1つの図形から複数の群化パターンを知覚することを示した. 3.1と2を基に図形内の局所領域を統合していき群化領域を認識する方法を提案した. 4.提案した群化領域の認識手法を類似画検索システムに適用し,その有効性を示した. 5.提案手法をカラー画像検索や医用画像解析への適用を検討した. また,以下の検討点・発展性がわかり,これらの解決を今後の検討課題としたい. (1)人間は,図形内の局所領域から徐々に周囲の領域に視野を拡大させていき最終的に大局的に群化領域を知覚する場合と,初めに図形全体を観察し図形内容を認知した上で局所領域を個別に知覚する場合が存在することがわかり,現時点では前者のみの検討に留まっている. (2)群化要因の一つである「連続性」に関して,人間は(1)で示した後者に相当する知覚を行っていることが考えられ,3.の考え方では「連続性」を定量化するモデルを作成することは難しい. (3)CV,医用画像解析に関しても類似画検索と同様に,人間の知覚群化を考慮することで計算機システムの精度が向上する.
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Research Products
(11 results)