2004 Fiscal Year Annual Research Report
特徴量空間の局所分布の多様性に着目した大規模マルチメディア情報の効率的な処理手法
Project/Area Number |
16700124
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
片山 紀生 国立情報学研究所, 情報メディア研究系, 助教授 (60280559)
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Keywords | マルチメディア / 高次元特徴量空間 / 局所分布 / スケーラビリティ |
Research Abstract |
平成16年度には、高次元特徴量空間の局所分布にどのような多様性ならびに特徴が見られるのか解析を進めるため、放送映像をコンテンツとする実験用データベースの構築ならびに実験環境の整備を行った。そして、構築した実験用データベースに対して、どのような解析が重要か、またそのための主要課題は何かという視点に立って研究を進めた。その結果、以下の四つの項目が中心的な研究課題であることが明らかとなった。(1)映像セグメント間の関連付け、(2)複数メディアの効果的な統合、(3)有用だが希少な関連の発掘、(4)スケーラビリティとオンライン処理の実現。これらのうち本研究と特に関連が深いのは(3)の有用だが希少な関連を発掘するという問題と(4)のスケーラビリティの問題である。これらの問題に対しては、データベースシステム分野の既存技術が有用であると考えられるが、現在急速に大規模化しているマルチメディアアプリケーションのニーズにまだ十分に対応できていないと考えられる。データベースシステム技術の骨格は、最適化による処理コストの削減にあり、実問題の中から効率化可能な部分を見つけ、効率的なデータ構造やアルゴリズムを構築することにある。現在の規模での取り組みは始まったばかりであり、効率化の余地はまだ多く残されている。本研究の目的は、特徴量空間の局所分布の多様性にそのような効率化の鍵を見出すことにあり、今年度の成果に基づき、来年度には、処理手法の具体化を進める計画である。
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