2005 Fiscal Year Annual Research Report
特徴量空間の局所分布の多様性に着目した大規模マルチメディア情報の効率的な処理手法
Project/Area Number |
16700124
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
片山 紀生 国立情報学研究所, 情報メディア研究系, 助教授 (60280559)
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Keywords | マルチメディア / 高次元特徴量空間 / 局所分布 / スケーラビリティ |
Research Abstract |
高次元特徴量空間は、時系列データ、画像データ、映像データなどのマルチメディア情報を照合・解析・検索するための手法として従来から使われている手法であるが、近年、その量的な大規模化が目覚しく、かつてのパターン認識システムでは考えられなかった規模のデータを蓄積可能になっている。そして、そのような大規模なデータに対しては、従来からの処理手法をそのまま適用したのでは、十分な性能が発揮されなかったり、データ本来の能力を十分に活かし切れない場合がある。そのため、データの大規模化に適合した新しい処理手法の必要性が高まっている。データの大規模化の影響が端的に現われる現象として、局所分布の多様性があり、大規模なデータの場合には、ひとつの特徴量空間の中であっても、局所的な領域ごとに多様な分布を持つことが明らかになっている。本研究の目的は、この局所分布の多様性という新たな視点に立つことにより、データの大規模化に適合した新しい処理手法を実現することにある。平成17年度は、平成16年度に構築した実験用データベースを用いて、以下のアプローチにより研究を行った。(1)示差性感応型最近接点探索法による局所分布の多様性の解明:構築された実験用データベースに対して、研究代表者らが考案した示差性感応型最近接点探索法を適用し、高次元特徴量空間における局所分布の多様性について解析した。(2)局所分布の多様性を活用した新しいマルチメディア情報処理手法の開拓:実験用データベースに対する解析結果に基づいて、最近接点探索法の効率化・高精度化法を考案した。(3)提案手法についての包括的な評価実験の実施:本研究では、実践的なマルチメディア情報処理手法の確立を目指していることから、実験用データベースを活用することにより、実応用を意識した包括的な評価実験を行った。
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