2004 Fiscal Year Annual Research Report
時間・空間・人間の連続性を復元する多視点映像ブラウジングシステムに関する研究開発
Project/Area Number |
16700127
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Research Institution | Advanced Telecommunications Research Institute International |
Principal Investigator |
北原 格 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 知能ロボティクス研究所, 専任研究員 (70323277)
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Keywords | 多視点映像 / 自由視点映像 / 最適カメラ配置 / 作業記録 / 個人識別 |
Research Abstract |
様々な"時・所・人"において獲得された多視点映像の間に存在する"時間・空間・人間"の連続性を復元し閲覧作業を支援するシステムの開発を目的として,今年度は主に,1."多視点映像間の時空間的な連続性を獲得する技術の開発"と,2."獲得した連続性を視聴者に提示するシステムの構築"に取り組んだ. 1.では,多視点映像を閲覧する時に我々が行っている時空間の補間作業に有効な情報の検討結果にもとづき,被写体やそれらとインタラクションする物体の位置・属性の情報を獲得するセンサ技術の開発を行った.まず,環境映像から被写体の存在する位置を高速に推定する手法を開発した.本手法は一台の環境カメラのみで撮影された映像からでも位置の推定が可能であり,より広範囲のシーン理解を実現する.次に,熱線情報を用いて被写体の識別を行う手法を開発した.熱という誰でも常に発するエネルギを情報源とするため被写体が特別な機器を装着する必要がなく,自然な状態での撮影が可能である.同時に映像情報を用いて個人識別を行う手法の開発も行った.空間中の各所に離散的に配置された監視カメラの映像と簡単な3次元形状情報を用いることで,無意識のうちに被写体の見え方情報を学習可能なことが,本手法の特長である.静止物体など上記手法で検出が不可能な物体に関しては,手動で属性を付加するアプリケーションを開発した.2.では,1.で獲得した位置・属性情報にもとづき,撮影したイベントの内容をより的確に把握可能な仮想カメラの視点位置を計算する手法を開発した.時空間の連続性を再現した映像を提示することにより,視聴者の理解を深めることを確認した. 我々が撮影対象とする実空間は従来の研究で扱ってきた撮影スタジオのような空間とは異なり,被写体の位置姿勢や照明条件の制御がほぼ不能である.それらの変動要素に対して頑強な自由視点映像生成技術の開発が継続検討課題である.
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