2004 Fiscal Year Annual Research Report
知の創造・継承プロセスモデルに基づく能力指向の組織知発信エンジンの開発
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16700135
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
林 雄介 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 助手 (70362019)
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Keywords | オントロジー工学 / ナレッジマネジメント / 組織知 / 情報発信 |
Research Abstract |
H16年度は以下の3つの研究項目を実施し,国際会議・研究会などでその成果を発表した. (1)組織知モデルの構築:申請者はこれまで,組織知の創造・継承プロセスモデル(デュアルループモデル)として組織知の内容とその形成に関する行為の概念を整理してきた.これらの概念を用いて,知に関する内容・行為と能力(例えば,知を洗練する能力や評価する能力など)の間の関係を記述するためのモデルを構築した. (2)セマンティックウェブ関連技術の調査・検討:(1)に並行して,組織知モデル発信に有効なセマンティックウェブ関連技術を調査した.セマンティックウェブの基盤技術となるRDF,OWLなどの記述言語に加えて,その周辺技術としてRSS,SOAP,WSDLなどのウェブサービス関連技術などを調査して,組織知発信エンジンを設計するための最適な組み合わせを検討した. (3)組織知発信エンジンの設計・開発:(1)で構成した組織知モデルと(2)の成果に基づいて,組織知モデルの情報をセマンティックウェブ関連技術を用いて出力するための枠組みを設計した.申請者はこれまでデュアルループモデルに基づいて,知の交流の記録から知の形成過程を再構成する機構(系統グラフジェネレータ)を開発してきた.系統グラフジェネレータは,組織知の創造・継承プロセスと構成員一人一人の知の変化(創造された・共感された・組織に認定されたなど)を対応づけて記録したモデル(系統グラフ)を生成する.この系統グラフをセマンティックウェブ関連言語に変換するための枠組みを設計し,H17年度に行う本格的な組織知発信エンジン開発の準備を終えた.
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