Research Abstract |
画像内容検索は,画像認識の応用研究の一つとして,ここ10数年間,盛んに行われてきている.本研究の目的は,スケッチ図をクエリー入力とする形状,テクスチャに着目した画像内容検索において,検索精度を向上させ,ユーザの満足度の高い画像検索システムを開発することである. 研究代表者は,既に,エッジ画像を用いた,大きさ,位置,回転に不変な画像特徴量を提案し,画像検索システムに実装し,成果をあげている.そして,本研究期間において,より人の主観に近い,柔軟な画像検索を実現するため,カラーエッジ検出法を提案した.カラーエッジ検出法は,有彩色6種類(赤,緑,青,黄,紫,水色)と無彩色3種類(黒,灰色,白)にカラー画像を分類し,その分類画像に対して,エッジ検出を行うというものである.このカラーエッジ検出法をスケッチ画像検索システムに組み込み,画像素材集Corel Photo Galleryに適用した結果,従来は検索が困難とされていた背景が複雑な画像や複数のオブジェクトにより構成されている画像にも対応可能になり,セマンティック・ギャプを埋める可能性を示唆した.このカラーエッジ検出法は,エッジ情報とカラー情報を有機的に利用している点に特長がある. その他,被験者に画像検索実験をしてもらうために,現有のパソコンで動作している形状,テクスチャ情報に着目した画像検索システムをペン入力可能なタブレットPCに移植し,操作性を向上させた.また,適合性フィードバックを用いた画像検索システムに拡張した.さらに,次研究期間を念頭に置き,C4.5による決定木を用いたデータマイニングを試用した.
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