2006 Fiscal Year Annual Research Report
自己記述的なインタフェースを備えた音声対話システムの研究
Project/Area Number |
16700140
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
駒谷 和範 京都大学, 情報学研究科, 助手 (40362579)
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Keywords | 音声対話システム / 対話戦略 / ヘルプ生成 / 複数ドメインシステム / 音声認識誤り / 発話検証 / 文脈 / ドメイン選択 |
Research Abstract |
本研究の目的は,ユーザや状況に応じて,ユーザにとって分かりやすい応答を行う音声対話システムの実現である.特に音声認識誤りを考慮した対話管理が必須である.平成18年度の成果は主に以下の3点である. 1.ユーザのメンタルモデル推定に基づくヘルプ生成 音声対話システムを使いやすくするうえで,システムが受理可能な表現をユーザに伝えるのは有効である.そこで,ユーザの当該システムに対する知識を推定し,それに基づき動的にヘルプを生成する方法を実現した.システムの知識構造を階層的に記述したドメイン概念木を定義し,そのうえで既知度としてユーザの知識を推定する.これに基づき,既知度が低い部分に対してヘルプメッセージを生成する.さらに発話検証技術の導入により,ユーザの発話自体がシステムの受理できない場合であっても,適切にドメイン概念木を更新可能な枠組みを提案した. 2.複数ドメイン音声対話システムでの音声認識誤りに頑健なドメシン選択 前年度までの研究で有効性を確認した文脈を扱う手法を,複数ドメイン音声対話システムへ応用し頑健なドメイン選択手法とした.5つのドメイン(バス,レストラン,ホテル,観光,天気)を扱える音声対話システムにおいて,対話の状態や文脈を考慮することで,音声認識誤りのある状況でも頑健に動作する.これらの成果を論文としてまとめた. 3.実システムにおけるユーザのふるまいの経時的変化の分析 バージイン(システム発話に対するユーザの割り込み)に着目しながら,ユーザのふるまいが時間の経過につれてどのように変化するかを調べた.この成果は(研究室での実験ではなく)現実の状況でのユーザのふるまいをモデル化したもので,実環境でのシステムを構築するうえで有用な知見が得られた.
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