2005 Fiscal Year Annual Research Report
個人適応に基づく領域適応型データマイニングシステムの開発
Project/Area Number |
16700142
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大原 剛三 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (30294127)
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Keywords | 個人適応 / データマイニング / 経験的知識 / グラフマイニング |
Research Abstract |
本研究ではデータマイニングプロセスにおけるデータ前処理(データ選択,欠損値処理,形式変換)に対象を絞り,ユーザ(対象領域の専門家)がもつ対象領域に関する経験的知識をシステムの利用過程から自動的,かつ漸進的に獲得・洗練化し再利用するメカニズムを実現することを目的とした.そのために,ユーザの行動パターン解析に基づきシステムの操作性を向上させる個人適応技術を利用することを想定し,本年度では前年度にプロトタイプシステムとして開発を進めたユーザの操作履歴から特徴的な行動パターンを抽出するシステムについてその洗練化・評価を行った.具体的には,ユーザ支援モジュール,および対話型インタフェースの機能改善のため,Waikato大学の研究チームが公開しているデータマイニングシステムWekaにプロトタイプシステムの各モジュールを組み込み,Wekaのもつグラフィカルユーザインタフェースを有効活用することでその操作性の向上を図った.また,インターネット上に公開されている機械学習用データセットを用いた評価実験を通して,提案システムによりユーザのもつ経験的な判断基準をパラメータ設定の基準として獲得可能であることを確認した.ただし,データによっては適切な判断基準が獲得されない場合も確認されたことから,今後,知識獲得モジュールとして利用したグラフマイニング手法の改良等によるシステムの一層の洗練化が必要と考えられる.加えて,ユーザがこれまで解析したことのないデータから一定基準以上の分類精度をもつ分類モデルを構築する際に,提案システムが獲得した他のユーザの経験的な判断基準を再利用することで,全体の解析時間が短縮されることも確認した.
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