2005 Fiscal Year Annual Research Report
ささやき声の音響的特徴と音声分析用データベースシステムの構築に関する研究
Project/Area Number |
16700159
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
今野 英明 北海道教育大学, 教育学部函館校, 助教授 (20234958)
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Keywords | ささやき声 / 音声分析 / 音の高さ / 音声データベース / Web |
Research Abstract |
本研究は,通常音声とは異なる音声を使って言語音知覚の機構解明を目指す立場からささやき声の音響的特徴を明らかにするとともに,音声データと分析結果を効率的に管理・利用・提供するためのWeb-データベース連携システムの構築を目的とするものである。本年度の研究の概要は以下のとおりである。 1.通常音声とささやき声の比較分析を行うために,これら各々について,昨年度に整備した単語および単音節データの一部を用いてHMMによる特定話者音声認識と音素ラベリングを試みた。通常音声とささやき声の認識率は同程度であり,波形と音素区間のおおよその対応も得ることができた。今後,個々の音声データに関する認識結果の詳細とデータ品質の確認,およびラベリング手法の更なる検討を行う。 2.声の高さを変えて発声したささやき声の母音(無声母音)から,知覚上の音の高さを求める聴覚心理実験を行うために,Linux上で動作する実験プログラムを作成し,極限法とUDTR法を用いた予備的検討を行った。無声母音の話者が意図した音の高さに聴取される傾向が見られるものの,妥当な結果が得られない場合もあり,更に手法の検討が必要である。 3.多量の音声データおよびその分析結果を効率的に管理・利用・提供するためのWeb-データベース連携システムの構築に関して,データベースに格納したデータ間の関係を扱うインターフェースやCMSとしての利用を考慮したテンプレートシステムの書き換え,データに付随する情報をクライアントに送信するためのHTTPヘッダの活用等の改良を行った。また,音声ラベルの格納方法を検討する一環として,既存ソフトウェアを用いてXML文書を関係データベースに格納し,XPATHで検索する若干の評価実験を行った。
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