2005 Fiscal Year Annual Research Report
神経振動子に基づくヘビ型ロボットの自律分散的運動制御
Project/Area Number |
16700161
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
井上 康介 茨城大学, 工学部, 助手 (10344839)
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Keywords | ヘビ型移動ロボット / 神経振動子 / パターン発生器 / 自律分散制御 / 環境適応 |
Research Abstract |
ヘビは細長い身体をくねらせることで身体底面・側面における環境との摩擦・押しつけを通じた力学的相互作用を発生させることにより,凹凸のある硬い土の上だけでなく,砂上,水中や木の枝の上などのきわめて多様な環境における適応的運動機能を発揮する動物である.本課題ではヘビを模倣したロボットを,動物の運動制御における神経機構を模倣した自律分散的制御器により制御することで,ヘビ型ロボットの環境適応的自律分散制御の実現を目的とした. 提案する制御アーキテクチャにおいては,動物の脊髄に存在する運動パターン発生器であるCPGを模倣して,神経振動子モデルを直列的に結合したネットワークにより,身体のくねり運動を頭から尾に向けて伝播させることで蛇行運動を生成する.更に,外部環境と身体との相互作用に関するセンサ情報を適切にCPGにフィードバックすることにより,環境の変動に応じた適応的な運動パターンの発生が期待される. 17年度の研究では,センサ信号として身体と外部環境との力学的相互作用に着目し,胴体底面に搭載された受動車輪が受ける体軸に垂直な平面内の,地面に垂直な方向および水平な方向の力を測定するセンサを開発し,実験によりその有用性を確認した. 一方で制御系について,物理学シミュレータを利用した遺伝的アルゴリズムの利用によって接地面の摩擦係数の変動に応じて自律的に運動形態を変動させるCPGパラメータを導出しようとしたが,松岡によって提案されたCPGモデルに対して直接センサ信号をフィードバックした場合,運動が振動的となって収束しない現象が明らかとなった.この現象の解析については,今後の課題として残った.
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