2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16700164
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大川 一也 千葉大学, 工学部, 助手 (50344966)
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Keywords | ホバークラフト / 1次マルコフ性 / 予測制御 |
Research Abstract |
本研究では,ホバークラフトを制御対象として取り上げ,実際の動きのデータから動作モデルを獲得し,連続的な動きを予測・制御する研究である.前年度までに,手法の基礎的な部分と力学モデルに基づくシミュレーションを終わらせた.本年度は,新しいホバークラフトを製作し,シミュレーションと実験の両面から,提案手法の有効性を示す. 前年度までの研究により,予測誤差が含まれるものの,提案手法が有効であることを確認した.また,予測誤差は,手法の前提条件である1次マルコフ性が満たされていないことが原因であることを指摘した.本年度は,1次マルコフ性が満たされない理由の検討から研究を行った.その結果,従来のホバークラフトは,プロペラによって推進力を得ていたことが原因の一つであることを突き止めた.プロペラでは,推力が定常状態に落ち着くまでに時間がかかるため,2ステップ以前の状態がその後の動きに影響するため,手法の前提条件である1次マルコフ性を満たせないからである. この問題に対処するため,新しい推進装置を持つホバークラフトを製作した.ここでは,プロペラの代わりに高圧ガスボンベを搭載し,ガス噴射のON/OFFで制御することにしている.ガスは高圧であり定常状態に落ち着く時間が少なくてすむため,1次マルコフ性を満たせるようになると考えられる.ただし,連続的にガスを噴射するとガス圧が低下し,推進力が変化してしまう.この問題に対しては,噴射を50ミリ秒間隔で開閉するようにすることで対処している. 製作したガス型のホバークラフトを用いて,シミュレーションと実験を行った。その結果,予測手法と実際の動きの誤差が少なくなり,従来のプロペラ型のホバークラフトよりも高精度で制御できることを確認した.
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Research Products
(2 results)