Research Abstract |
本研究では,動きの数式化が困難な移動体を対象とし,実際の動きのデータから動作モデルを獲得し,連続的な動きを予測・制御する研究である.前年度までに,手法の提案と2種類のホバークラフトによる実験により,手法の有効性を示した.本年度は,ホバークラフト以外の移動体へ適用し,本提案が汎用性のある手法であることを示した. まず,模型自動車に本手法を組み込み,自動駐車制御の実験を行った.前年度までのホバークラフトの場合,動作数は4通りであり,それらの動作を任意に切替えられた.しかし,自動駐車を行う場合,動作数は4通りでは不足であり,またハンドル角を一瞬で左右に切替えることは望ましくないなどの問題がある.これらの問題に対処し,動作数は10通りとし,サンプリングごとに切替えられる動作に制限を加えた.一般に,制御系に,このような制約を加えることは困難であるが,本手法での経路計画で用いている遺伝的アルゴリズムでは容易に解決できる.実験では,切返しを考慮した自動駐車ができることを確認した. 次に,模型船に本提案手法を組み込み,自動着岸制御の実験を行った.車の場合,容易に停止できるが,船の場合には慣性で動いてしまう.目標の位置に着岸するためには,連続的な動きを予測し,事前に減速をしていかなければならない.また,車と同様,動作数を14通りとし,サンプリングごとに切替えられる舵角に制限を加えた.この場合においても,着岸できることを確認し,3年間続けてきた本研究の提案手法の有効性を示した.
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