2005 Fiscal Year Annual Research Report
画像計測からの不規則な環境変動のモデリングとそのデータベース作成についての研究
Project/Area Number |
16700169
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
川本 一彦 九州工業大学, 工学部, 助教授 (30345376)
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Keywords | 運動解析 / トラッキング / 逐次モンテカルロ法 / 粒子型フィルタ / オプティカルフロー / 重点サンプリング / 状態空間モデル / 画像処理 |
Research Abstract |
対象の運動を平面アフィン変換でモデリングし,その時間発展を状態空間モデルで記述することで,領域ベースのより精緻なモデリング手法を開発している.この手法では,アフィン変換を幾何学的な意味が明確なパラメータ(回転や拡大縮小など)に分解し,それらの時間発展を陽に取り扱うことで自然な動きのモデル化を可能にしている.ただし,その代償として非線形なモデルが表われるが,逐次的なモンテカルロ法に基づく数値近似解法によりこれを解決している.このモンテカルロ法の導入により,動きの規則的な成分と不規則な成分を分離して扱うことができる.さらに,ディジタル画像が離散的であることを利用して,冗長な計算を省く手続きを導入し,実時間処理が可能なシステムを開発している. これらの成果は,前年度に開発した画素単位と輪郭ベースのアルゴリズムとは相補的な関係にあり,これらを組み合わせることでより頑健なモデリング手法を開発できる.そこで,モンテカルロ法の分散減少や稀な事象の効率的な発生方法として古くから利用されてきた重点サンプリングを枠組みとして導入することに取り組んでいる.重点サンプリングを導入する他の利点は,(1)計算資源を集中的に投下させることができるため,より効率的なアルゴリズムを開発できる,(2)事前に設定した時間発展モデルから逸脱した事象が観測されてもそれに追従することが可能になることである. 以上を要するに,本年度では,本研究において核になるモデルリング手法の基礎と応用の両面から議論を深めることができ当初の目標を十分に達成している.
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