2004 Fiscal Year Annual Research Report
複数人物が存在する環境での色情報による単一人物の実時間追跡
Project/Area Number |
16700178
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
先山 卓朗 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70335371)
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Keywords | 人物追跡 / 人物同定 / 複雑背景 / 色情報 / 人物モデル |
Research Abstract |
複数人物が存在する環境での色情報による単一人物の実時間追跡に関する研究として,本年度は以下の項目について研究した. ・指定人物を同定する特徴量として,人物の着ている服の色情報を利用した.服装やその模様によっては,部位や見る方向により見えが変化するため,人物の簡易立体モデルを作成した.指定人物を複数方向から撮影し,各方向から観測された人物領域から立体モデルの大きさを決定する.立体モデルは頭部・胴部・脚部からなり,それぞれ直方体で表現する.その表面をメッシュ状に分割し,小領域ごとに色情報を登録する.人物領域全体を色空間でクラスタリングすることで代表色を選択し,小領域ごとに含まれる代表色情報とその割合を登録する. ・人物追跡時に人物の向きを推定する手法を考案した.人物は進行方向を向いて移動していると仮定し,顔の向きを検出することでその人物の向きを推定する.指定人物を登録するとき,複数の方向から指定人物を撮影し,顔の代表色情報とともにそれらの色の配置パターンも登録しておく.人物の向きを推定するときは,頭部の代表色領域を検出後,その配置パターンから向きを推定する.ただし,画面上での人物の大きさや隠蔽度合いによっては正しい向きが検出できない場合もあり,さらなる改良が必要である. ・人物追跡手法としては,これまでに提案してきた手法を利用した.ただし,人物の移動方向や向きから次フレームでの見えを推定し,立体モデルから次フレームで観測されうる代表色を選択することで,人物の向きによる見えの違いに対応した.画面上で四方へ移動するジャケットを着た人物を正しく追跡できることを確認した. ・今後の課題としては,人物の向き推定手法の改良や,指定人物以外の人物に関する情報の動的取得やその利用方法についての検討,さらに分散処理による実時間処理化などが挙げられる.
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