2004 Fiscal Year Annual Research Report
区分的に滑らかな性質を有する連続系のモデル化とその分岐構造に関する研究
Project/Area Number |
16700221
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
高坂 拓司 福山大学, 工学部, 講師 (80320034)
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Keywords | 区分的に滑らかな系 / 非線形力学系 / ハイブリッドシステム / 分岐現象 / Border-collision分岐 / カオス / 数値解析 / 電力変換回路 |
Research Abstract |
本年度は,区分的に滑らかな系と状態・時刻混合型断続特性を有する連続系の関連性に関する基礎研究を行った. 1.区分的に滑らかな離散系に対応した連続系を構成する手法の確立と電気回路系での実験 状態・時刻混合型断続特性を有する力学系の状態断続特性を不連続に与えることで,任意の領域数で記述される区分的に滑らかな離散系を構成できることがわかった.特に領域数が4で記述される区分的に滑らかな離散系と対応した連続系モデルについて詳細な解析を行った.また,系にみられる非周期振動についても数学的な枠組で解析を行い,力学的な構造を明らかにした.さらに,電気回路系において上記を実現し,モデル化された連続系について理論的・実験的に検討した.n次元への拡張についても実装中である。 2.上記の力学系にみられるカオスアトラクタの制御 1.に伴いこの種の力学系の安定性解析が可能となった.この情報を基に合成写像を応用した一般的な制御法を提案した.また,この手法を実回路に適用し本手法の正当性を示した. 3.直流断続例示による変圧器偏磁現象の解析 変圧器が接続される非線形コンダクタンス回路における解析法の確立に向けた第一歩として,変圧器に交流電流が接続され整流器により一方向に整流された電流の流れる回路の一考察を行った.周期的にSITがONおよびOFFとなる非線形断続回路の性質を利用し,SITの切り替わりに基づいた局所写像を構成し,これらをつなぎ合わせることでスイッチの周期によって離散化された合成写像の構成が可能となった.また,スイッチの周期およびデューティー比の変化が力学系に及ぼす影響について考察した.
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