2004 Fiscal Year Annual Research Report
寝たきり者・高齢者の室内環境を快適にする照明装置の開発
Project/Area Number |
16700225
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Research Institution | Kumamoto National College of Technology |
Principal Investigator |
合志 和洋 独立行政法人国立高等専門学校機構熊本電波工業高等専門学校, 情報通信工学科, 助教授 (20303711)
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Keywords | 寝たきり者・高齢者 / 快適室内環境 / 照明装置 / 快適性向上効果 / 生体機能 |
Research Abstract |
寝たきり者や外出を控える傾向にある高齢者にとって,室内居住空間を快適に保つことは心理的・生理的な観点からも重要である.また,寝たきり者などにとって快適な室内環境を提供する技術は,彼らだけでなく全ての人々に対しても応用できる有用な技術となり得る.そこで,本研究では,寝たきり者に快適な照明を提供するために姿勢にあわせて点灯箇所が変化する照明装置を開発し,その生理的・心理的効果を明らかにすることを目的とする.また,音響などにあわせて光が変化する照明装置を開発し,楽しさなどの感性量向上効果も明確にする. 本年度は,研究目的で示した実施内容のうち,寝たきり者の姿勢にあわせて点灯箇所が変化する照明装置を開発し,その快適性向上効果の定量化および生体機能特性との関係の明確化を中心に検討を行った.様々な姿勢に対する照明の方向や個数などの物理的な提示条件と人の快適性および生体機能との関連付けを行い,照明-快適性-生体機能の三者の関係を明確にした. 具体的な実施項目は以下の通りである. (1)居室内に複数の照明装置を設置し,位置や姿勢を検出してコンピュータによって自動的に照明の点灯箇所および数を制御する装置を開発した. (2)仰向けなどの様々な姿勢に対して読書やテレビ視聴時の最適な照明方向および点灯数を決定した. (3)(2)で決定した各姿勢に対する最適照明提示下において,実際に読書やテレビ視聴を行った場合の疲労度や快適性をアンケート(SD法)により調査した.現在も,継続して調査中である. (4)(3)と同様の最適照明の提示に対し,脳波,脈波,および眼球運動による生体機能を測定し,疲労度との関係を明確にする.脳波および脈波は,現有の設備を使用して測定し,本購入品の眼球運動システムは,読書をする場合などにおける眼球運動を知ることで注視部位や疲労との関係を知るために使用する.現在,測定の一部が終了している.
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