2004 Fiscal Year Annual Research Report
学習データのモデル化による汎化能力の形成と利用技術の確立
Project/Area Number |
16700230
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Research Institution | Akita Prefectural Institute Industrial Technology |
Principal Investigator |
間所 洋和 秋田県工業技術センター, 研究員 (10373218)
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Keywords | 汎化能力 / 誤差逆伝搬ネットワーク / 対抗伝搬ネットワーク / FPGA / 肌領域抽出 |
Research Abstract |
本研究では、対抗伝搬ネットワーク(Counter Propagation Network: CPN)のカテゴリマップを誤差逆伝搬ネットワーク(Back Propagation Network: BPN)の学習データとして用いることにより汎化能力を形成する手法を提案した。提案手法は、カテゴリマップのユニット数を変更することにより空間的な位相構造が保存された状態で学習データのサンプル数を自由に変更することができる。さらに本手法では矛盾する学習データの検出や寄与度の低い学習データの検出が可能となる。 汎化能力形成メカニズムの基礎的な評価として2次元空間上におけるクラスタリング実験を行った結果、各クラスタの分布形状に即した学習データの形成が確認され、BPNの決定境界が理想境界に近接した。また、一般的なシーン画像から人の肌領域を抽出する実験を行った結果、BPN単独の結果と比較して抽出精度が向上した。特にカテゴリマップサイズを学習サンプル数より大きく設定した場合に汎化能力の向上が顕著となった。 ハードウェア化に向けた検討としては、ハードウェア記述言語を用いて16ビット固定小数点モデルのBPNを設計し、FPGA(Field Programmable Gate Array)への実装を行った。その結果、毎秒60フレームで描画されるVGA(Video Graphics Array)画像に対して、学習フェーズでは1フレーム以内に100,000回の学習を達成し、テストフェーズでは全画素に対して判定可能となった。 次年度は、アプリケーションへの展開として、特に顔検出処理をターゲットにアルゴリズムの改良とハードウェア化を進める予定である。さらに設計資産のIP(Intellectual Property)化を進めることにより実用化に向けた展開を図りたい。
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