2005 Fiscal Year Annual Research Report
パーソナルメディアの利用と親密性の変容に関する国際比較研究
Project/Area Number |
16700233
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
羽渕 一代 弘前大学, 人文学部, 助教授 (70333474)
|
Keywords | 東アジアの若者 / パーソナルメディア / 集合行動 / 都市 / 政治意識 / 携帯電話 / インターネット / 若者文化 |
Research Abstract |
平成16年度から継続し、本年度は以下のことをおこなった。 (1)これまで収集した若者とメディア利用に関するデータを分析し、その結果について学会発表 日本都市社会学会(2005年9月、於;大妻女子大学)シンポジウム「都市と若者-都市の若者と若者の都市の交わるところ-」において「若者のメディア利用がもたらすもの」を報告した。報告要旨は次の通りである。おもに若者の集合行動とメディア利用との関連が指摘されているが、この報告では、韓国、台湾の若者の事例をあげながら、パーソナルコンピュータを利用したインターネットによる効果について認められるが、携帯電話による影響は、実際にはみとめられないことを実証した。また、日本の若者の集合行動について、これらの国の若者と比較すると脱政治性に特色をもっていることについて、ここ30年間の若者の政治意識研究に言及しつつ、政治意識の醸成と都市化の問題について、仮説を提示した。 (2)合同調査 オランダをフィールドに活躍している若者文化研究者であるH.Vinken氏とI.Diepstraten氏とともに日本の周縁地域、津軽における若者に対してインタビュー調査をおこない、そのデータについての意見交換をおこなった。この調査で明らかになったことは、周縁地域の若者にとって、東京という都市が若者特有の離脱志向において、目指されるべき外部として機能していることや、外部の存在は、事実上の外部として機能しているわけではなく、イメージとして外部が存在しているということが確認された。 このとき、パーソナルメディアの利用は、重要な役割を担っていることも確認された。 (3)中国における若者のメディア利用 平成18年3月8日から16日まで北京、ハルピンにおいてヒアリング調査をおこなう予定。家族関係、友人関係、集合行動、メディア利用を中心に聞き取りをおこなう。
|