2004 Fiscal Year Annual Research Report
逆方向マスキングを引き起こす視聴覚刺激に対する脳内活動の推定
Project/Area Number |
16700250
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
川勝 真喜 東京電機大学, 情報環境学部, 講師 (50297587)
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Keywords | 脳磁界計測 / 逆方向マスキング / N1mピーク / マスキー刺激とマスカー刺激 |
Research Abstract |
平成16年度は被験者を募り,脳磁界計測を実施した。 これらの装置に改良を加えながら,実際に脳磁界の計測と解析を行うにあたり,刺激や計測のパラメータの設定を行った.その結果、マスキー音の後にマスカー刺激を与える聴覚逆方向マスキング刺激においては、マスカー刺激にホワイトノイズとホワイトノイズから信号音の成分だけのノッチフィルターに掛けた音を用いる事でマスキング効果に差が現れる事がわかり、その刺激を用いて実験を行った。その結果、マスキー音の強度が増すにつれ振幅が減少することを見出した.これはマスカー音に1kHzの純音を用いた場合と同じ傾向である。信号音の強度が高いほど信号音に対する反応とマスカー音に対する反応の干渉が起きることで、N1mピーク振幅が減少したと考えられる。 また、視覚逆方向マスキング刺激では、マスカー刺激の呈示するタイミングを変化させる事でマスキング効果に変化を与える事ができ、効果ありと効果なしの刺激に対して計測を行った。その結果、多くの被験者でマスク効果あり・なしの刺激に対する脳活動で右半球の活動にあまり変化がないにもかかわらず、左半球の活動は大きく異なる事が見出された。このことは、言語の左半球優位性を示している。但し、各個人の言語優位半球を特定するにはまだデータが少ない。今後は各個人の言語優位半球の特定を脳磁界計測で目指せるよう実験を進めていく。 また、新しい解析ソフトウェア(BESA)の導入により更に効率の良い解析を実現するとともに、独立成分分析などの新しい手法による解析も検討を進める。
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