2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16700255
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
山本 渉 電気通信大学, 電気通信学部, 講師 (30303027)
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Keywords | 二値観測寿命試験 / 最尤法 / 逐次推論 |
Research Abstract |
二値観測寿命試験は、各ユニットをその寿命までの期間中に高々一回しか検査できない制約を持つ寿命私権である。試験結果は例えば工業製品や部品の場合、検査時点とその時点での動作・故障などの状態、という情報から成る。その情報に基づいて寿命分布の母数を最尤推定する場合、相異なる検査時点の数は寿命分布の母数の次元よりも大きくなければ識別可能とならない。 今年度はBergman and Turnbullの逐次寿命試験計画(Bergman and Turnbull,1983)を、ワイブル分布の情報に基づいて改良することを試みた。彼らの試験計画は、検査時点の設定には確率分布の情報を用いず一定間隔とし、各時点で負の二項分布に基づく検定などによる、時点の更新を提案している。我々は、工業製品品の寿命試験では相異なる検査時点の数はできるだけ少ない方が寿命試験の総コストの軽減に繋がると考え、検査時点を予め定めずに、寿命分布の最適観測時点を予測して設定することを提案した。ただし、一回目の検査時点は試験結果ではなく、寿命分布に関する何らかの事前情報を用いて定める必要があり、事前情報としての母数の初期推定値の推定精度への影響も検討した。 その結果、ワイブル分布の母数の真値に対して、尺度母数は小さめの初期推定値を与えるのがよく、大きく与えてはいけないことが分かり、形状母数が1より大きい場合に推定精度の改善を達成した。形状母数が1より小さい場合は、引き続き検討を要する。
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