2004 Fiscal Year Annual Research Report
興奮特性をもつ信号媒体の分岐/樹状空間構造を活用した信号処理機能
Project/Area Number |
16700275
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Research Institution | Future University-Hakodate |
Principal Investigator |
元池 育子 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 助手 (70347178)
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Keywords | 樹状場 / 反応拡散 / 興奮場 / 信号伝播 / ダイオード |
Research Abstract |
本研究は、細胞内経路における信号の符号化の由来として、神経細胞一般にみられる2つの特性、信号発生・伝播の「興奮特性」と、複雑な信号伝播経路形状「分岐/樹状構造」に着目し、興奮特性をもつ場(信号伝播媒体)が分岐・樹状構造をとることによって得られる信号/情報処理機能を明らかにすることを目的としている。 具体的には、分岐形状をもつ興奮場における入出力信号モードの多様性と機能の同定を目的とするが、そのための条件として、形状特性と信号伝播特性との相関を知ることが重要となる。その際、分岐・樹状構造の形状特性について、可能な限り人為性を排除するため、樹状形状形成のダイナミクスに、自然界の樹状場形成過程をもつ現象のダイナミクスを一般化して用いることが望ましいと考え、本年度はバクテリアコロニー形成ダイナミクスを一般化したアルゴリズム,を用い、樹状場生成規則と形成された2次元パターンとの相関について解析を行った。フラクタル次元やパターン成長速度等について解析を行い、生成規則パラメータの形成パターンに及ぼす影響、樹状枝密度の違いなどを明らかにした。また空間パターンとその上を伝播する信号伝播パターンについて、空間パターン及び入力信号パターンの条件によっては、多値演算に相当する多様な信号処理機能の実現が可能であることを示した。また、形成された樹状場上の興奮信号伝播に関して、情報処理機構の基盤となる単方向信号伝播(ダイオード特性)やペースメーカーの役割も果たす螺旋波が複雑形状系でも得られ、これらの特性が得られる形状条件を得た。
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Research Products
(1 results)