2004 Fiscal Year Annual Research Report
構造システム生物学を指向した高度好熱菌の環境応答機構の研究
Project/Area Number |
16700279
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
宮武 秀行 独立行政法人理化学研究所, 三木生物超分子結晶学研究室, 研究員 (50291935)
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Keywords | 2成分系 / 転写制御因子 / ヒスチジンキナーゼ |
Research Abstract |
高度好熱菌Thermas thermophilus HB8の八種類の転写制御因子の遺伝子をクローニングした。目的タンパク質を大量発させるために、PCR法によって目的遺伝子を増幅し、pET systemに組み込んだ。宿主は大腸菌BGL21(DE3)あるいはJM109(DE3)を使用した。30L培養装置を使って、形質転換した大腸菌を大量培養した。大腸菌はリゾチウム・DNAaselで破砕処理した後、超遠心して上澄みを得た。上澄みを70℃で加熱することにより、耐熱性を有する目的タンパク質以外の共雑タンパク質を沈澱させた。HPLC装置を使って更に精製し、四種類の転写制御因子についてSDS-PAGEでシングルバンドレベルの試料を得た。得られた試料の結晶化を試みたところ、三種類の試料について単結晶を得た。大型放射光施設(SPring-8:兵庫県播磨)にてX線回折測定を行い、二種類の転写制御因子について立体構造を解明した。それらの構造を比較したところ、リン酸化に伴う2量体化に関与すると予想される部位が構造変化を起こしていることが明らかになった。現在、更に詳細に構造と機能の関係を検討中であり、論文作成の準備を進めている。 一方、ヒスチジンキナーゼタンパク質については、三種類のクローニングに成功したものの、すべてのタンパク質は不溶性になってしまい、現在までに結晶化用の試料は得られていない。そこで、新たにN末端の膜貫通部位を削除した発現系をそれぞれについて構築を試みている。
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