2005 Fiscal Year Annual Research Report
構造システム生物学を指向した高度好熱菌の環境応答機構の研究
Project/Area Number |
16700279
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
宮武 秀行 独立行政法人理化学研究所, 三木生物超分子結晶学研究室, 先任研究員 (50291935)
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Keywords | 2成分環境応答系システム |
Research Abstract |
高度好熱菌由来の転写制御タンパク質はほぼすべて精製されたものの、センサーキナーゼタンパク質の安定的な精製には成功していない。これは、センサーキナーゼタンパク質の多くがN端に膜貫通部位を持つ膜タンパク質であり、通常の精製方法では不溶性画分に沈殿してしまうためである。 そこで、菌体の破砕後のペレットを界面活性剤入りの溶液で洗浄する方法で、センサーキナーゼタンパク質の可溶化・精製を試みたところ、1種類のセンサーキナーゼタンパク質について精製に成功した。他のセンサーキナーゼタンパク質についても、この方法で今後精製を試みる予定である。この方法は、高度好熱菌の他の膜タンパク質精製にも適用可能と考えられるので、今後必要さらに必須となる高度好熱菌由来膜タンパクの構造・機能解析に役立つ。同時に、膜タンパク質の発現に最適化した無細胞系発現系も利用して発現・精製を試みる。 精製したセンサーキナーゼタンパク質単独の構造解析を試みるのと同時に、それぞれ対になる転写制御因子との複合体結晶を調製し、それらの構造解析を試みる。 結晶化のスクリーニングは、全自動結晶化・観察ロボットシステムHTS-80を使用して行う。 現在、3種類の転写制御タンパク質の構造解析に成功し、更に、低分解能ではあるが、2種類の転写制御タンパク質について結晶を得ている。今後は、これらの結晶化の最適化を行い、構造解析を行う予定である。
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