2004 Fiscal Year Annual Research Report
低分子量Gタンパク質Rac3のノックアウトマウスの作製と解析
Project/Area Number |
16700288
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
原田 武志 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30362768)
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Keywords | Rac / Rhoファミリー / 低分子量Gタンパク質 / ノックアウトマウス / プルキンエ細胞 / Cre / アクチン細胞骨格 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
まずRac3ノックアウトマウス作製のためのターゲッティングベクターとして、Rac3遺伝子の開始コドンの5'上流にloxPを挿入し、さらにpolyA付加シグナルの下流にloxP-dsRedを挿入したベクターを構築し、ES細胞へ導入し、相同組換え体を単離した。この相同組換え体を胚盤胞期胚へインジェクションし、キメラマウスを作製した。次にキメラマウスを生殖腺にCre酵素を発現するトランスジェニックマウスEIIa-CreTgマウスと交配させることにより、Rac3遺伝子のマウスゲノム上よりの除去を試みた。しかしながら、Rac3遺伝子座にloxP及びloxP-dsRedの挿入されたコンディショナルアリルを持ち、更にEIIa-CreTgを持つF1マウスは生まれてきているのだが、Cre酵素によりRac3のcoding regionが全て欠失したヌルアリルを持つヘテロマウスを得ることは未だに出来ていない。また小脳顆粒細胞特異的にCre酵素を発現するトランスジェニックマウスを作製するために、小脳顆粒細胞特異的に発現するNMDA型グルタミン酸受容体のε3サブユニット(NR2C)遺伝子の5'上流領域10kbの下流にCre遺伝子を挿入したベクターを構築し、マウスの受精卵に注入し、NR2C-CreTgマウスを作製した。得られた2系統のTgマウスをCre酵素が働くとβ-galactosidaseが発現するCAG-CAT-LacZ reporter Tgマウスと交配させ、Cre酵素の発現を確認した。得られた2系統の内、1系統は全くβ-galactosidaseの発現が確認出来ず、別の1系統はほぼ脳全体にβ-galactosidaseが発現していた。そこで、新たにTgマウスを作製し直すために、NR2C-CreTgの上流及び下流にinsulator配列を挿入したベクターを構築した。
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