2005 Fiscal Year Annual Research Report
神経発生における転写制御因子Zicファミリーの分子制御機構
Project/Area Number |
16700293
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
石黒 亮 独立行政法人理化学研究所, 比較神経発生研究チーム, 研究員 (70373264)
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Keywords | 神経発生 / 転写因子 / リン酸化 / Zicファミリータンパク質 |
Research Abstract |
1、Zic2と相互作用するタンパク質とリン酸化 研究代表者はこれまでに、神経の正常な発生に必須である転写制御因子Zic2の機能解析を目的として、Zic2と相互作用する多数のタンパク質分子を分離、同定することに成功した。Zic2は、核内で2つの大きな複合体を形成しているが、その中の構成成分の一つ、DNA依存タンパク質リン酸化酵素が、Zic2と他のタンパク質間の相互作用に重要な働きを持っていることが明らかとなった。試験管内で精製したタンパク質を用いて複合体を再構成しリン酸化される分子を解析したところ、Zic2もリン酸化されていることが明らかとなった。Zic2を含む複合体の分子集合はリン酸化によりその集合が制御されており、転写の制御機構と密接な関連を持つと考えられる。 2、Zic2の下流遺伝子群の同定 申請者は、クロマチン免疫沈降の手法を用いて、Zic2が直接作用する遺伝子の同定を進めている。これまでに、多数の非制御遺伝子の候補が得られたため、実際にマウスの胚での発現を詳細に解析した。野生株のマウスと、Zic2ノックダウンマウス間でそれら候補遺伝子の発現量を比較すると、ノックダウンマウスでは明らかに発現量が低下していた。このことは転写因子であるZic2が直接それらの遺伝子発現に関与していることを示しており、その制御は正の方向にあると考えられる。このことは神経発生に関与するどのような遺伝子がZicファミリーと関連しているかを知る上で重要である。
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