2005 Fiscal Year Annual Research Report
顕微鏡下における多層薄膜を用いたレーザーアシスト神経細胞自由配線技術の開発
Project/Area Number |
16700298
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
深野 天 独立行政法人理化学研究所, 細胞機能探索技術開発チーム, 研究員 (80373364)
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Keywords | 顕微鏡 / 神経細胞 / 細胞培養 / レーザー描画 / 薄膜 |
Research Abstract |
本年度は前年度に引き続き顕微鏡レーザー描画装置の改良および薄膜材料の検討を行った。 1.顕微鏡レーザー描画装置の改良 昨年度は空冷のアルゴンレーザー(波長514.5nm、光出力150mW)を用いたが、本年度はこれをより小型の半導体レーザー励起の赤外YAGレーザー(波長1064nm、光出力1.5W)に取り替えることにより装置全体を小型化した。また、このレーザーの採用により機械的なシャッターなしにレーザー光のオンオフを可能とした。 2.薄膜材料の検討 薄膜材料は前年度検討したプラスチック材料である、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)を採用した。レーザーをアルゴンレーザーからYAGレーザーに変更したことにより薄膜にドープする光吸収材料を変更する必要があった。ドープする材料として金の微粒子(直径〜200μm)を用いた。光吸収材料をドープしたPMMAあるいはPSをカバーガラス上に滴下し、スピンコーターによりコートした。スピンコートの条件の検討を行った。その結果、回転数が2000回転、回転時間が15秒前後で厚さが数ミクロンの薄膜が生成されることがわかった。この薄膜上にポリエルリジンコートし、水溶液中でレーザー照射した場合にレーザー強度が0.9W以上のときは金微粒子でレーザー光が吸収されそのときに発する熱でプラスチックが溶け描画が可能となることがわかった。これに神経細胞のアクソンおよびデンドライトの伸張方向を70%程度の精度で制御が可能となった。しかし、光吸収物質に金微粒子を用いた場合には蛍光観察の場合は特に問題がないが、可視光の透過観察(微分干渉像)の場合は、細胞の画像上に金微粒子の像が重畳されるため観察がしにくいという課題が残った。
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