2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16700303
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮坂 知宏 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90342857)
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Keywords | タウ / アルツハイマー / タウオパチー / 神経変性疾患 / 線虫 / FIDP-17 / 微小管 / NFT |
Research Abstract |
これまで、線虫のmechanosensory neuronに野性型タウ、あるいは二種類のFTDP-17変異タウ(P301L, R406W)をそれぞれ発現させたモデルを作製した。その結果、変異型タウを発現させた線虫において、強いtouch responseの低下(mechanosensory neuronの機能異常)を認めた。本年度はこのタウオパチーモデル線虫を用い、変性神経細胞の形態学的解析を行った。方法は、freeze cracking法と免役細胞染色法を組み合わせ、とくに尾部にあるmechanosensory neuron(PLML, PLMR)に注目し、その形態変化について検討した。その結果、変異タウ線虫特異的にtouch responseが低下する5日齢において、この神経機能の低下に伴う神経線維の形態異常が確認された。一方、細胞体、神経線維の消失は認められなかった。また、変性神経細胞中に異常なタウの蓄積が認められたものの、一部タウの蓄積の伴わない変性像も確認された。さらに10日齢になると、変異タウ線虫では神経細胞、神経線維の消失が認められた。また、5日齢では異常の認められなかった野性型タウ線虫でも、僅かであるが神経線維の変性、タウの蓄積が認められた。同時に電子顕微鏡を用いた観察により、これら変性神経細胞では微小管構造の崩壊が起こること、また蓄積したタウは非線維性の形態であることを明らかとした。以上の結果より、タウオパチーにおける神経変性過程として、神経線維の変性が初期像であり、神経線維、細胞体の消失は比較的後期の減少であることが示された。また、神経機能の損失は細胞体の消失よりもむしろ、軸索変性に伴って獲得される可能性を示した。
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Research Products
(1 results)