2004 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸リズム形成ニューロンの活動を制御する神経路の実験形態学的解析
Project/Area Number |
16700304
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
横田 茂文 島根大学, 医学部, 助手 (50294369)
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Keywords | pre-Botzinger complex / 結合腕傍核 / 孤束核 / ニューロキニン1レセプター / ラット |
Research Abstract |
本年度は順行性標識法とpre-Botzinger complex(pre-BotC)ニューロンの特異的マーカーであるニューロキニン1レセプター(NK1R)に対する免疫組織化学的手法を併用することにより、Kolliker-Fuse核(KF)および孤束核腹外側亜核(vlNST)からpre-BotCニューロンへの投射様式を光顕的に解析し、さらにこれらの間に構成されるシナプス構築を電顕的に解析した。まず、ラットのKFに、ビオチン化デキストランアミン(BDA)を電気泳動的に微量注入し、その個体の疑核腹側部におけるBDA標識神経線維および終末と、NK1R陽性ニューロンの分布を観察した。その結果、BDAで標識された結合腕傍核からの神経線維は、NK1R陽性ニューロンが多く存在するpre-BotC領域において、密な終末野を形成していた。また、それら線維終末の中にはNK1R陽性ニューロンに近接するものが観察された。この領域を電顕下で観察すると、KFからの線維終末はNK1R陽性ニューロンの細胞体や樹状突起と非対称性のシナプスを形成していた。次に、vlNSTにBDAを注入し、同様の観察を行った。vlNSTからの神経線維もpre-BotC領域において密な終末野を形成し、その線維終末の中にはNK1R陽性ニューロンに近接するものが観察された。電顕下で観察すると、vlNSTからの線維終末は、NK1R陽性ニューロンの細胞体や樹状突起と対称性のシナプスを形成していた。以上の結果から、KFおよびvlNSTは、pre-BotCニューロンに直接投射することにより、呼吸リズム形成に対して、それぞれ興奮性および抑制性の影響を与えることが示唆された。
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Research Products
(1 results)