2004 Fiscal Year Annual Research Report
自己受容体と分泌小胞の直接相互作用による開口放出制御
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16700317
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
倉増 敦朗 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (90302091)
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Keywords | G蛋白質共役型受容体 / カルボキシ末端 / ヒスタミンH3受容体 / 自己受容体 / 細胞内クロライドチャネル / 開口放出 |
Research Abstract |
1.野生型及び変異型H3受容体発現ベクターを構築 培養細胞に導入するため、H3受容体の全長cDNAをサイトメガロウィルスのプロモータを持つ発現ベクターに挿入し、野生型H3受容体発現ベクターを作製した。また、既にin vitro結合実験から、細胞内クロライドチャネルとの結合に重要なH3受容体側のアミノ酸を同定しているので、この結果をもとにクロライドチャンネルとの結合活性をもたない点変異を挿入したH3受容体発現ベクターも作製した。 2.抗H3受容体抗体の作製 H3受容体のN末細胞外ドメインの30アミノ酸をGSTに融合させた蛋白質を大腸菌に発現させ精製した。これを抗原としてウサギを免疫し、抗血清を得た。この血清を、抗原として用いたGST融合蛋白質でアフィニティ精製して、抗H3受容体抗体を得た。この抗体が培養細胞に発現させたH3受容体を特異的に認識することを確認した。 3.細胞内でのE3受容体とクロライドチャネルの結合の確認 in vivoでのH3受容体とクロライドチャネルの結合を確認するため、ラット脳ホモジネートを抗H3受容体抗体を用いて免疫沈降を行い、沈降物の中にクロライドチャネルが存在するかどうかウェスタンブロットで調べた。抗H3受容体抗体による免疫沈降産物中には、抗クロライドチャネル抗体で認識される蛋白質を認めたが、非特異的IgG抗体による免疫沈降産物中には、同様の蛋白質を認めなかった。この結果から、ラット脳において、H3受容体は細胞内クロライドチャネルと複合体を形成していることがわかった。
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