2004 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠覚醒と摂食行動の制御に関わるオレキシン神経の電気生理学的解析
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16700318
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山中 章弘 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (60323292)
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Keywords | オレキシン / スライスパッチクランプ / トランスジェニックマウス / セロトニン / GIRK |
Research Abstract |
オレキシン神経細胞特異的に緑色蛍光タンパク質(EGFP)を発現する遺伝子改変マウス(orexin/EGFP mice)を用いてオレキシン神経細胞のスライスパッチクランプを行い様々な既知の神経伝達物質に対するオレキシン神経細胞の反応性を調べた。セロトニン神経は縫線核を起始核として、脳全体に投射しており睡〓で醒調節に深く関わっていることが知られているため、オレキシン神経細胞に対するセロトニンの作用について検討した。オレキシン神経細胞はセロトニンによって過分極し、その活動が抑制された。また、受容体選択的作動薬、拮抗薬を用いたよ析から過分極には5-HT_<1A>受容体が関与している事を同定し、また免疫染色法によってセロトニン神経がオレキシン神経細胞近傍に軸索を投射していること、および、オレキシン神経細胞に5-HT_<1A>受容体が発現していることを確認した。また、過分極にはGタンパク質共役型内向き整流カリウムチャネル(GIRK)の活性化が関与していることを同定した。また、オレキシン神経細胞が脱落した遺伝子改変動物を用いてセロトニン神経によるオレキシン神経細胞抑制の生理的意義について検討した。暗期〓前の5-HT_<1A>受容体拮抗薬の脳室内投与によって、野生型マウスの暗期後期の行動量は増加するが、オレキシン神経欠損マウスの行動量は変化しなかったことから、セロトニン神経からの抑制性入力がオレキシン神経細胞活動の抑制に重さな役割を持っている事が明らかになった。
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